熱中症と新型コロナ感染《症状違い》

熱中症 新型コロナ 症状 違い 判断 見分け方
熱中症と新型コロナ肺炎・風邪との違いを解説しています。

熱中症と新型コロナ感染症や風邪も、発熱があったり疲労感が起こったり、吐き気や頭痛を伴うことがあり、初期症状が似ている部分があります。

ただ、初期症状が似ていても、原因は異なります。

新型コロナ肺炎はウイルス感染。風邪は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染で発症します。
熱中症は、高温多湿に長時間さらされたり、脱水症状によって引き起こされます。

これらは病態が全く異なるため、症状の現れ方にも明確な違いがあります。たとえば、以下の点を考えて「どちらの可能性が強いか」判断してみてください。

新型コロナの症状
状況
症状のきっかけ ・換気の悪い部屋に長時間いた。
・感染者と濃厚接触した。
・人が密集する場所へ行った。
あらわれる症状 ・のどの痛みや鼻水と咳。
・喉が痛くて赤く腫れる。
・寒気がありゾクゾクする。
備考 気道感染の所見があることが多い。
熱中症の症状
状況
症状のきっかけ ・気温の高い場所に長時間いた。
・水分補給が難しい環境など。
あらわれる症状 ・皮膚のシワが戻りにくい。
・爪を押すと赤くなるのが遅い。
・のどの渇きが強い。
備考 脱水症状の状態を中心とした熱中症特有の所見がある。
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熱中症と新型コロナ
症状からの判断知識

症状の『きっかけ』が異なる

上の欄の症状が出たときは、まず「きっかけはどうだったのか?」と行動を振り返ってみましょう。

新型コロナ感染症は、風邪などと同じように、密閉された店舗に長時間いたり、人が密集する場所へ出かけたりした場合に発症しています。
熱中症は、気温が高い場所に長時間いて、水分も取れない状態がつづくと発症しやすくなります。
とくに熱中症の症状では、暑い状態にさらされて脱水症状をきたしやすい環境にいたはずです。

【注意】新型コロナ感染症は、強い感染力により人混みに行っていなくても感染します。たとえば、カフェなどで感染者と対面で会話していた場合などです。

新型コロナ感染は『気道感染』がある

熱中症と新型コロナ感染症を見分けるには『他の症状もみられるか?』というのが重要。

新型コロナ感染症は、もともと風邪の一種である『コロナウイルス』が変異した病気なので、気管支・咽頭でウイルス増殖する点は同じ。
そのため、咳や咽頭に痛みや炎症といったウイルス感染の症状がみられる。また、発熱も熱中症と症状が違っており、重い風邪のように寒気をともなうことが多い。
熱中症はウイルス感染とは関係がなく、おもな原因は脱水によるものなので、咳や鼻水・咽頭痛などはなく、発熱やだるさなどが中心になります。

新型コロナウイルス感染症でも、高熱がつづいて極端に食欲が落ちてくると脱水症状になる可能性があります。ただ、熱中症で発熱がともなっている方のばあい、より重篤な脱水症状になるときがあります。

熱中症では、脱水によって独特な症状がみられます。
それは『毛細血管補充時間』というもので、指先などの身体の末しょう部分の血液循環の状態を見る方法。この確認によって、非常に簡単に脱水状態かどうかを推測できます。

熱中症の判断例

  1. 手の親指の爪を3秒以上、反対側の親指で押してみる。
  2. 親指の爪を押して『白く』なったところで離してみて、爪の色が『赤」になるまでの時間を計測。
  3. 通常なら1秒もせずに爪色が赤く戻るが、『赤』に戻るまでに2秒以上かかった場合、脱水症状と判断。

頭痛症状による熱中症の判断

熱中症による頭痛の原因は、脳の血流が悪化。

熱中症では、身体の水分量が不足するため、血流が悪くなります。その状態になると、脳への血流量も低下し、脳に十分な酸素が行き渡らなくなり頭痛が発生します。さらに身体の放熱状態が悪化すれば、頭痛発作がひどくなります。

頭痛は熱中症のサインの1つですが、その頭痛が熱中症によるものか見極める必要があります。

ただ、頭痛症状だけでは見極めが難しいため、熱中症の疑いがある場合は、涼しい場所へ移動し、水分補給(スポーツドリンクなど)によって頭痛症状がおさまってくれば、熱中症と判別できます。

これらの方法で頭痛発作が改善しなければ、他の原因を探る必要があります。

なお、熱中症による頭痛は、熱中症クラス『中等度』となるので、十分な水分補給ができなければ医療機関を受診する必要があります。

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熱中症は翌日に症状がでることも

熱中症の症状が出るのは、暑い日に水分補給ができなかったり、運動した後に起こるイメージがありますが、翌日に症状が出ることがあります。

熱中症は脱水状態が続いて血流が悪くなると、しだいに身体の臓器がダメージをうけます。
多くの熱中症は短時間で症状が出るのですがが、臓器へのダメージに時間がかかったばあい、症状が出るのに時間がかかってしまい、翌日に不具合が出ることがあります。

そのような例もあるため、酷暑の当日に大丈夫でも、翌日に熱中症の症状が出た場合は、十分な水分補給や休息をとるようにしましょう。

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